原子番号52の元素、テルル(Te)の放射性同位体の一つ。同位体とは、原子を構成する陽子と中性子のうち、陽子の数が同じで、中性子の数が異なるもの。テルル129mの「m」は、準安定状態(metastable state)の意味で、安定はしていないものの比較的寿命が長い状態であることを示す。放射能が半分になる半減期は、33.6日。沸点は、摂氏988度の揮発性で、ウランが核分裂することによって生成される。文部科学省は、2011年10月31日、東京電力福島第一原子力発電所事故後の放射性物質による汚染状況をまとめた放射線量等分布マップのうち、テルル129mの土壌濃度マップを公表した。文科省のホームページで見ることができる。同マップは、11年6~7月に同原発から約100キロ圏内にある土壌を採取して分析し、地図上に各地の放射線量を示したもの。約2200カ所の土壌を分析したところ、約800カ所からテルル129mが検出された。もっとも濃度が高い場所に50年間滞在した場合、吸入被ばくと外部被ばくによる積算放射線量は、0.6ミリシーベルトになるという。