経済産業省の委託事業として福島県沖で実施される洋上風力発電プロジェクト。ヨーロッパで主流の海底に風車を固定する「着底式」ではなく、海上に設備を浮かべる「浮体式」であり、大規模な実証研究は世界初。事業を通じて技術開発を行い、同システムの安全性、信頼性、経済性などを明らかにするとともに、東日本大震災からの復興に向け福島県を風車産業の一大集積地とし、雇用創出につなげるのが狙い。発電機を設置する海域は、同県沖20~40キロの洋上で、水深100~150メートルを想定。年間平均風速は毎秒7メートル以上を見込む。事業は2011~15年にかけて、2期にわけて展開。11年度中に始まる第1期事業では、洋上風力発電設備1基(2メガワット)、洋上サブステーション(変電所、66キロボルト)、海底ケーブルを設置する。第2期事業では、7メガワット級風力発電設備を2基追加する予定。政府は2011年度第三次補正予算で125億円の補助金を計上、12年3月に委託先のコンソーシアムが決まった。請け負うのは、プロジェクトインテグレーターの丸紅、テクニカルアドバイザーの東京大学ほか、浮体式洋上風力発電設備を手掛ける三菱重工業、浮体式洋上変電所を手掛ける日立製作所など、合計10社1大学。