水星や金星の太陽面通過(日面通過)の際に、惑星の像がしずく(ドロップ)のように変形して見える現象のこと。惑星が太陽面に入りきったとき(第2接触時)と出る直前(第3接触時)の2回、観測される。この現象が起きる原因は、可視光で見える太陽面の明るさが中央から縁に近づくにつれて暗く見える周縁減光(周辺減光)による影の伸びや、観測する望遠レンズの精度の良し悪しなどが挙げられている。18世紀、イギリスの天文学者エドモンド・ハレーは、金星の太陽面通過の時間を測定することで太陽・地球間の距離を求める方法を提案していたが、実際にハレー没後に観測された金星の太陽面通過では、ブラック・ドロップ現象によって正確な時間が測定できなかったと言われている。