水分子が作る「かご」の中に、メタンの分子が閉じ込められた物質をメタンハイドレートという。深海の堆積物や永久凍土の中など、低温高圧の環境下においてシャーベット状で存在し、優れた燃料になるうえ、日本周辺の海底下に天然ガス換算で約100年分存在する。2007年3月5日、東京大学など4機関による共同研究チームは、新潟県上越市沖において、海底から噴出したメタンが直ちにメタンハイドレート化する様子や、メタンプルームという気泡の柱となって、海面近くまで到達する様子を観測したと発表した。海底から噴出したメタンは、海水に溶けて二酸化炭素になると考えられていたが、条件によってはメタンハイドレート化して、海底に堆積したり気泡を伴って海面近くまで到達したりすることがわかった。この事実は、メタンプルームがメタンハイドレートの堆積に関わっていることと、強い温室効果をもつメタンが海底から大気中に放出されている可能性があることを示した。