2009年10月6日、スウェーデン王立科学アカデミーは同年のノーベル物理学賞を、光ファイバーによる通信技術の向上とデジタルカメラのCCD(撮像素子)の開発など、IT(情報通信技術)の発展に貢献した中国系の科学者ら3氏に贈呈すると発表した。光ファイバーの父と呼ばれるチャールズ・カオ(Charles K. Kao 香港中文大学元学長)博士はイギリスとアメリカの国籍を持つ科学者で、極細のガラス繊維で光を伝送する理論的研究によって、光ファイバーによる通信を可能とし、これによって伝送速度を大幅に向上する技術に貢献した。またデジタルカメラには不可欠な部品であるCCD(charge coupled device 撮像素子)は、光映像信号を電気信号に変換する半導体素子である。ウィラード・ボイル(Willard S. Boyle アメリカのベル研究所元研究員)博士と、ジョージ・スミス(George E. Smith 同元研究員)博士はCCDの発明によって、デジタルカメラや映像システムを普及させる基礎を作ったことが評価された。賞金はカオ博士に2分の1、ボイルおよびスミス博士にそれぞれ4分の1ずつが与えられる。ノーベル賞の物理学賞と化学賞と経済学賞はスウェーデン王立科学アカデミーが、医学・生理学賞はストックホルムのカロリンスカ医学研究所が、文学賞はスウェーデン、フランス、スペインの3アカデミーが選考にあたる。