沸騰液体膨張蒸気爆発と訳され、ブリーブともいう。液体の急激な相変化(気化)による爆発現象のことで、液体状態で貯蔵される液化石油ガス(LPG)などの加圧容器の周辺で火災が起きた場合に生じる。火災によって加圧容器が加熱され、中の液体の温度が常圧下での沸点を上回った状態で容器に亀裂が入ると、容器内の圧力が瞬時に常圧まで下がって液体が一気に気化するため、蒸気の急激な膨張による爆発現象が起こる。さらに、その蒸気が引火して巨大なファイアボール(火の玉)となる。ブレビー現象は、1966年にフランス南部リヨン市郊外のガスタンクで発生した大規模な爆発事故をきっかけに、広く知られるようになった。70年代にアメリカで多発し、さまざまな対策がとられるようになったが、84年にもメキシコで大規模事故が起きた。東日本大震災で発生したコスモ石油千葉製油所(千葉県市原市)のガスタンク爆発は、地震によるタンク支柱の倒壊が配管の破断を引き起こし、漏れ出したガスが引火したことでブレビーが生じた。