地震による断層運動にともなって、地層や岩石が機械的に破砕された帯状の地中の割れ目。砕かれた岩石は細かな石くずとなり、一部は粘土化して、帯状につながっている。帯の幅は数センチから数十メートルに及び、日本で最長の活断層帯である中央構造線の破砕帯には100メートルを超える規模をもつものもある。破砕帯は強度が低いため、破砕帯地すべりとよばれる地すべりの原因にもなる。破砕帯をめぐっては、近年では日本原子力発電敦賀発電所の安全性についての問題で注目を集めた。東京電力福島第一原子力発電所事故に端を発した原発の安全性について、2012年4月24日、原子力発電所の耐震安全性を評価する原子力安全・保安院が、敦賀原発の原子炉建屋直下を走る破砕帯を現地視察し、これまで動かないとされた破砕帯が、発電所の近くを通る浦底活断層が動いた場合に連動して動く可能性が否定できないとの見解を示し、日本原子力発電に追加調査を指示した。耐震設計審査指針では活断層上に原子炉等の重要設備設置を認めないため、安全性が立証できなければ廃炉となる可能性も指摘されている。