南米ペルーの砂漠地帯で発見された古代のマッコウクジラ。フランス国立自然史博物館、オランダ・ロッテルダムの自然史博物館、ペルーの自然史博物館などによる調査チームが2008年に発掘した化石の中から、頭骨と上下のあごの骨を確認。10年7月1日付のイギリス科学誌「ネイチャー」に発表した。名前の由来は、聖書に登場する海の怪物「レビアタン(Leviathan、英語読みでリバイアサン)」と、小説「白鯨」の作者ハーマン・メルビル(Herman Melville、1819~1891)から。発見された地層から、1200万~1300万年前に生息していたと見られる。頭骨のサイズから体長は13.5~17.5mと、現生のマッコウクジラとほぼ同じだが、上あごに左右9本ずつ、下あごには11本ずつ歯があり、最大のものは直径12cm、長さ36cmと現生種よりはるかに大きいため、調査チームでは、イカを主食とする現生種と違い、他のクジラを捕食していたのではないかと推定。同時代の地層からは巨大なサメ、メガロドンの化石も発見されており、チームを率いたフランス国立自然史博物館のオリビエ・ランベールは、両者が餌を巡って直接戦っていた可能性もあると推測している。レビアタン・メルビレイの化石は、近くペルーの首都リマで展示される予定。