EU(欧州連合)7カ国の12の研究所が2000年から04年まで行った共同プロジェクト。低いエネルギー密度の電磁波や電磁場によって細胞が受ける影響を検証し、報告書を公表している。名称はRisk Evaluation of Potential Environmental Hazards from Low Energy Electromagnetic Field Exposure Using Sensitive in vitro Methodsに由来。培養細胞を用いた実験の結果、携帯電話で使われるような高周波電磁波でも、細胞内に活性酸素種が作られ、遺伝子が損傷することが示された。また、送電線の近くで生じるような低周波磁場でも、オンオフを繰り返すように間欠的に当たる場合には遺伝子が損傷すること、さらに修復の機能も不十分になることなどが分かった。これらの報告は、度々疑われてきた電磁波や電磁場と健康被害との因果関係を証明するものではないが、がんなどの慢性疾病が遺伝子の変異や細胞分化の異常をきっかけに発症し得ることからも、無視はできない。