情報通信研究機構(NICT)けいはんな研究所知識創成コミュニケーション研究センターが開発した、世界初のWeb情報分析システムで、2010年8月9日にhttp://wisdom-nict.jp/のアドレスでのサービス開始を発表した。Web(ウェブ)上に氾濫(はんらん)する玉石混交の情報を「外観」「発信者」「内容」という三つの観点から分析し、ユーザーに対して、その信頼性を判断する指標を示している。このシステム自体が信頼性の位置付けを行うわけではない。現時点では、同機構が独自に収集した5億以上の日本語Webページを対象にしており、(1)Webページを発信しているサイト運営者やコンテンツの著者を自動抽出し、その特定のトピックスについての専門性を分析して順位付けする情報発信者分析技術、(2)ある事象や事物に関しての意見や評価が肯定的か否定的かという評価極性を判定する評価情報抽出技術、(3)あるトピックスに関して、閲覧者たちが発した意見や、その意見の対立や対比があるかを抽出する主要・対立・対比情報抽出技術を分析の三本柱とする。これらのふるい分けはシンプルなグラフや、対立する意見が表形式で表示され、不正確な情報や偏った意見などの割合を一目で把握することができる。こうして分析されたデータをもとに、ユーザー自身がその評価を下す。今後、英語版や中国語版の開発を進めていく予定という。