アメリカの国土安全保障省の委託によって、大手軍需企業ノースロップ・グラマン社が開発した、旅客機や貨物機など商用機のためのミサイル防御システム。携帯型で肩撃ち式の地対空ミサイルが地下市場を通して世界中に広まっており、非武装の商用機を標的にしたテロがすでに発生している。そのため、商用機についてもミサイル防御能力を備える必要に迫られ、約3年の期間をかけて開発された。システムは長さ2m、重さ200kgほどで、ボートのような形をしており、機体の腹に装着する。ミサイルが目標を追尾するための信号や、発射に伴い発生する紫外線を感知して作動。次いで、ミサイルの誘導装置にレーザーを照射して、目標を見失わせることで被弾を回避する。2007年1月16日、ロサンゼルス国際空港を利用する貨物機9機に搭載し、およそ18カ月間の実地試験を開始。国内すべての商用機約6800機への搭載を視野に入れているが、その場合、数十億ドルの予算を要する。