宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、2007年8月16日に打ち上げる月周回衛星セレーネ(SELENE:SELenological and ENgineering Explorer)の愛称。「かぐや」は、打ち上げ後、地球を2周して月に向かい、4~5週間後に月の上空約100kmを回る軌道に入り、主衛星と2つの小衛星(リレー衛星とVRAD衛星)に切り離されて、異なる軌道を周回する。主衛星は裏側を周回する2つの小衛星と連動して月の表面の地形、磁場、鉱物の分布、重力、環境などを、約1年かけて観察し、月を徹底解明する。かぐやの観察データは、日本のみならず、世界中の今後の月探査のための礎石となるものと期待されている。諸外国では、アメリカが08年秋に、ルナ・リコナイサンス・オービター計画(月周回探査機)とエルクロス計画(クレーター内の水の有無を探査)を行い、20年ころに有人月探査、24年ころに多国籍(日欧米ロ中など14カ国)による月面基地建設を予定している。中国は、07年に月探査機の嫦娥(じょうが)1号の打ち上げを、またインドも08年に月探査機チャンドラヤン1号の打ち上げを、予定している。またロシアも、2012年ころにルナグローブを打ち上げて、ペネトレーター(打ち込みやり)を月面表面へ撃ち込んで内部構造を観察する計画を立てている。