独立行政法人・情報通信研究機構(京都府)が開発した、だんごを二つ積み重ねたような、ひよこ型のぬいぐるみロボットで、高さ120mm、直径80mm。同機構の知識創成コミュニケーション研究センターが、2000年夏に開発した子ども型ロボット「Infanoid(インファノイド)」に続き、03年3月に開発した。黄色くてポンポン動くから、「きーぽん」。「ロボットを人間らしくすることと、人間をより深く理解することは、実は密接につながっている」という考えのもと、人間を特徴づける「コミュニケーション」の仕組みなどを解明するために開発された。目に内蔵された小型カメラで、対面した人の正面の顔を認識し、相手の顔に自分の視線を合わせ(アイコンタクト)たり、頭や手を向けて相手の視線を追ったりすることができる。インファノイドの外観は機械のようで、少なくとも3歳未満の幼児には、親しまれなかった。そこで、きーぽんは、ぬいぐるみのようなかわいい外見に改良したところ、幼児が頭をなでたり言葉を教えようとするなど、より「友達」とのコミュニケーションに近い反応を示した。保育園や老人ホームへ遊び相手として「派遣」されるなど、活躍の場が広がりつつある。