ドラム缶やレンガなどを使って燃焼炉を作り、その輻射熱を利用するまきストーブの総称。身近な材料でできる、燃料に建築廃材などを利用できるなど、省エネ効果が期待できることから、東日本大震災以降、各地で話題になっている。1990年ごろアメリカで考案され、燃焼音がロケットの噴射音に似ていることから、この名が付いたと言われる。2009年には日本語の製作マニュアルが日本ロケットストーブ普及協会より発売された。屋内暖房用と調理用があり、通常、ロケットストーブというと、キャンプなど屋外で利用される調理用ストーブを指すことも多い。屋内暖房用のロケットストーブは、正式にはロケット・マス・ヒーター(rocket mass heater)と呼ばれ、調理用はキッチン・ロケット・ストーブなどとも呼ばれている。大きさや形はさまざまで、小さいものでは18リットル缶(一斗缶)が、大きいものでは200リットルのドラム缶などがよく利用される。また、レンガや瓦などで組み立てるものもある。材料費も、規模や利用する材料によって幅があり、小さいものであれば数千円で作ることができる。基本構造は、(1)内側のドラム缶の煙突(ヒートライザー 熱上昇炉)を断熱材で覆うことで高温になり、強い上昇気流を生むこと、(2)たき口からヒートライザーにつながるトンネル(バーントンネル)を90度のL字型に設置することで乱気流を生み、熱効率が高まること、などの特徴がある。燃費は、通常のまきストーブの4分の1程度で、灰がほとんど出ないと言われている。屋内暖房用は、さらに煙道を床にはわせ、土で覆うことで蓄熱が可能になるので、暖かいベンチとして利用ができる。