「天気」を表す気象用語の一つ。気象庁では、国内の天気を「快晴」「晴れ」「薄曇り」「曇り」「煙霧」「砂じん嵐」「地吹雪」「霧」「霧雨」「雨」「霙(みぞれ)」「雪」「霰(あられ)」「雹(ひょう)」「雷」の15種類に分類している(国際的には96種類)。煙霧の定義としては、「乾いた微粒子が大気中に浮遊し、水平方向に見通せる最大距離(視程)が10キロ未満の状態」とされている。工場の煤煙や自動車の排気ガスなどで起こることが多い。2013年3月10日午後1時30分ごろから同3時10分にかけて、関東地方の広い範囲で観測された。空に茶色の「もや」がかかったようになり、都心では、一時視程が2キロにまで落ち込んだ。空の色から中国大陸からの黄砂を疑う人が多かったが、黄砂は「煙霧」のうち、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠など、東アジアの乾燥地帯に由来する黄砂粒子が日本列島まで到達するものをいう。当日、九州地方や北陸、東海などで黄砂が観測されたが、関東には飛来しなかったという。今回の原因は寒冷前線の南下により発生した上昇気流。これが北関東周辺の埃(ほこり)を巻き上げ、最大瞬間風速18.8メートルの強風により拡散したことによる。実はそれほど珍しい現象ではなく、東京では13年に入ってからすでに3度目。ただ、規模の大きさや黄砂予報などと相まって、注目を集める結果となった。とはいえ無害なわけではなく、長期間続けば日照時間の減少による冷害や、逆に熱を閉じ込めることによる温室効果などにつながるほか、吸い込めばのど、呼吸器などに影響を及ぼす。