「ショートショート」と呼ばれる短編SFの名手、星新一(1926~97年)の作品を分析し、人工知能を搭載したコンピューターに新たな短編を創作させるプロジェクト。星新一の誕生日(ホシヅルの日)にあたる2012年9月6日、はこだて未来大学の松原仁教授、プロジェクトの顧問を務める作家の瀬名秀明らが発表した。星作品を研究対象としたのは、(1)作品数が多い、(2)起承転結などプロットがわかりやすい、(3)作品の個性が際立っている、(4)多くのファンが存在し評価をもとめやすい、などの理由から。プロジェクトの進行案によれば、約1000編の作品群をもとに、使われている単語や文章の長さ、構成、各作品に共通の特徴などを分析し、さまざまな文章創作法を試行しながら、ショートショート創作法を完成させるという。出来上がった作品の評価方法は未定だが、一例としてペンネームでコンテストに応募するなどの方法を挙げている。文芸作品の創作という、人間の“感性”の部分を人工知能に扱わせるチャレンジであり、5年以内を目安に、オリジナルの星作品と同等以上の完成度を目指す。星の次女で、星作品の著作権管理会社、星ライブラリの星マリナ代表がアドバイスを行い、作品データは新潮社が提供する。プロジェクト名の「作家ですのよ」とは、星作品の一つ「殺し屋ですのよ」をもじったもの。