斜面災害の一つで、土地の一部が重力によってゆっくりと継続的に斜面下方へ移動する現象。地滑りは、移動速度が1日数ミリから数センチ程度と非常に遅いのが特徴で、動きの速い土石流や落石などの斜面崩壊とは、一般的に区別されている。主な原因は地下水の増加で、梅雨や融雪時期に発生しやすい。また、地震や火山運動による変化、あるいはトンネルやダム建設などの掘削工事も原因となる場合がある。傾斜の緩い地形や粘性の土質などに発生することが多く、地質的条件がそろった場所は、いったん停止しても再発する可能性が高い。発生前には、湧水がにごったり、小さな亀裂が発生するなどの兆候が見られることがある。報告されている地滑りの危険個所は、全国に2万カ所以上。なお、地滑りの英訳のlandslideが落石なども含めた土砂災害全体を指す言葉であることから、広義の意味として、岩や土などの斜面下降運動を指すこともある。2012年3月7日、新潟県上越市板倉区で大規模な地滑りが発生し、10日同市は災害対策本部を設置。12年3月21日現在、住家4棟や農業用水路などが被害を受け、80人に避難勧告が出された。