太陽と地球の間に月が入って太陽を覆い隠す日食のうち、太陽、月、地球が一直線に並ぶことで太陽の真ん中が月で隠され、光がリング状に見える現象。月が地球から見て遠い位置にあるときに起こり、近くにあるときは太陽が月に完全に隠されて皆既日食になる。太陽、月、地球の並び方にずれがあるときは、一部分だけが月に隠れる部分日食となる。日食は見る場所によって、太陽の欠け方や見られる時間帯が異なる。金環日食が見える場所と、リングが見えずに部分日食になる場所との境目を限界線という。限界線の位置を特定することによって、より正確な太陽の直径を求めることができる。2012年5月21日には、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、関東地方など太平洋側の広い範囲で金環日食を観測することができ、その他の地域でも部分日食が見られる。金環日食が始まる時刻は、鹿児島では午前7時20分05秒、京都では7時30分00秒、東京では7時31分59秒で、金環日食の継続時間は最大で5分程度、方向は全国的にほぼ真東。日本の陸地で観測できるのは1987年に沖縄本島で見られて以来25年ぶりで、首都圏では173年ぶりとなる。次回の日本での金環日食は18年後の2030年6月1日で、北海道で観測できる。