唾液に毒を持つ珍しい哺乳類で、カリブ海の島国キューバに生息する固有種。モグラやハリネズミの仲間に当たる。体長30センチ前後で、頭部が大きく、尾も25センチ以上に達することがある。長い吻(ふん、口先)を持ち、獲物に毒を注入して弱らせるために、歯に特有の溝がある。1833年に初めて発見されたが、化石からは3000万年前に北アメリカに生息していたことが示されている。天敵がいないことで生き延びてきたが、人間がイヌやネコ、マングースなどの捕食動物を持ち込んだことや、森林の減少によって生息数が激減し、1970年代には絶滅したものとみなされた。その後、2003年に再発見され、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定している。12年5月、キューバと日本の合同研究チームが、キューバ東部の国立公園内で生きた個体7匹を捕獲したことを公表した。チームには北海道大学や筑波大学、宮城教育大学、キューバ環境省、ハバナ大学などの専門家が参加。夜行性であることなどから、これまで生態はよくわかっていなかったが、カエルやトカゲを好んで食べる様子などが観察された。ソレノドンにはもう1種、ハイチとドミニカ共和国にまたがるイスパニョーラ島原産のハイチソレノドンが現存する。