一つの個体に雌雄両性の形質が現れること。雌雄嵌合体、性的モザイクともいう。左右半分、上下半分など、雌雄の現れ方はさまざまで、卵割初期の細胞分裂の異常が原因と考えられている。カブトムシ、クワガタ、チョウなどの昆虫類や、甲殻類、クモ、ウニ、ニワトリやキジなどの鳥類でごくまれにみられる。2008年11月に島根県で発表されたヒラタクワガタの例では、脚や長い大あご、表面のざらついた胸といったオスの特徴が右半分に、左半分に短いあごや表面のなめらかな胸といったメスの特徴がみられ、見た目にもはっきりとした違いが確認できる。雌雄モザイクが発生する確率は、昆虫で数万匹に1匹とされ、インターネットオークションで100万円ほどで落札された例もある。同一個体内に卵巣と精巣をもつミミズや、卵子と精子をもつカタツムリなどを雌雄同体というが、雌雄モザイクとは区別される。