液体を加熱して温度が沸点に達すると、通常は内部から水蒸気の気泡が発生して沸騰状態となる。しかし、沸点に達しても沸騰しないことがごくまれに起こる場合があり、この状態で、液体が振動など何らかのショックを受けて急激に沸騰する現象をいう。「とっぷつ」と読み、過熱とも言われる。沸点に達しても沸騰しないのは、沸騰が始まった段階では内部からの気泡が安定せず、周囲の液体から押しつぶされてしまうため。身近でも、電子レンジやコンロなどで少量の液体を急激かつ均等な加熱をした場合に突沸が起こることがある。液体が急激に吹き上がったり吹きこぼれたりしたためにやけどを負う例もあり、これまでに、国民生活センターや製品評価技術基盤機構などから注意喚起がなされている。