JAXA(宇宙航空研究開発機構)と測位衛星技術(本社・東京都新宿区)が開発した屋内測位方式のことで、屋内GPSとも呼ばれる技術の一つ。GPS(全地球測位システム)と互換性のある微弱な信号を出す「IMES送信機」を用いて、GPS衛星や、GPSを補完する日本の準天頂衛星「みちびき」からの電波が届かない屋内でも、正確な位置情報が取得できるようにするもの。小型のIMES送信機に「緯度」「経度」「建物の階数」などのデータをあらかじめ記録し、建物の天井裏など各所に設置。IMES対応端末の所持者が近づくと、端末が信号を受信して位置情報を取得する仕組み。携帯電話やスマートフォンの多くはGPS受信機が搭載されているので、ソフトウエアの追加でIMESに対応できる。システムが普及すれば、商業施設までの道順はGPS、施設内の目的のテナントまではIMESというように、一つの端末でシームレスなナビゲーションが実現する。テナント側も、近隣にいる客にキャンペーンを知らせるなど、より効果的な広告戦略が可能になる。11年6月にはIMESの普及促進団体「IMESコンソーシアム」(代表幹事 ; 神武直彦慶應義塾大学准教授)が発足。12年夏には、二子玉川ライズ・ショッピングセンター(東京都世田谷区)で大規模な実証実験が予定されている。