1996年から始まった、各国のボランティア参加者たちによる素数探索プロジェクト。参加者たちのパソコンをインターネットを介してつなぎ、計算処理を個々に分担させるという分散コンピューティング(distributed computing)を用いることによって、より大きなメルセンヌ数(Mersenne number ; Mersenne prime メルセンヌ素数)を探し出すことを目的とする。素数(prime number ; prime)とは、「2」以上の自然数(正の整数)で、「1」と「自分と同じ数字」でしか割ることができない数をさし、中でも「2のp乗-1」のかたちで表せつつ、pが素数であるものをメルセンヌ数という。GIMPSには世界中の数万人ともいわれるボランティアが参加しており、より大きなメルセンヌ数の発見者に対して3000ドルの報奨金を授与することになっている。セントラル・ミズーリ大学のカーティス・クーパー(Curtis Cooper)教授は、2013年1月25日に、現時点における最大の素数(largest known prime number)にして最大のメルセンヌ数(largest known Mersenne number)を発見し、検証後、同年2月5日に発表した。発見したのは、「2の5788万5161乗-1」(1742万5170桁)で、メルセンヌ数としては48番目に当たる。それまで最大とされていたのは、08年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のエドソン・スミス(Edson Smith)コンピューティング・リソース・マネジャーが発見した47番目のメルセンヌ数「2の4311万2609乗-1」(1297万8189桁)で、今回この記録を更新した。