カニの甲羅に含まれるキトサンと、昆布に含まれるアルギン酸ナトリウムの抽出物を交互に重ねて作られた手術用ばんそうこう。早稲田大学と防衛医科大学校の研究チームが開発した。ナノレベルの薄いシートを重ねたもので、柔軟性と強度があり、密着性も高い。また、組織への癒着が起きにくい、薬剤を使っていないので人体に悪影響を与えない、生体内での分解・吸収力に優れるなどの特徴がある。試験的に作られたのは75ナノメートルの厚さで、市販のばんそうこうの約10万分の1の厚み。200ナノメートルより薄いと密着性が高まるとされる。1ナノメートルは100万分の1ミリ。今後、安全評価を行い、3年後の実用化を目指す。