生まれながらにしてパソコン環境で育ち、とりわけインターネットや携帯電話などのネットツールを使いこなし、それにともなったものの考え方をする年代や世代のことを指す言葉。商業インターネットの接続サービスの開始以後、おおむね1990年以降に生まれ、双方向のデジタル・テクノロジーの環境で育った世代とされる。生まれつきネット社会に接していることから、ネット内の世界(社会)とネット外のそれとは区別せず、同じ奥行きの現実社会と感じている。そのため既存の社会が構成してきた規範や権威などとも無縁で、既成の価値観からも自由である。一般的な彼らの特徴は、(1)ネットで知り合ったか現実で知り合ったかを区別しない、(2)所属・肩書・年齢を気にしない、(3)ネットを使いこなし、国内外にネットワークを構築して活動をしている、などがあげられる。したがって、年少のうちからグローバルな視野に立ち、ネットを通じて起業したり、NPOを組織してボランティア活動を行うなど、地域性、世代性、国民性、イデオロギーなどから自由に振る舞っているケースがみられる。半面、デジタル・ネイティブ以前の世代から、いささか礼儀に欠け、社会的なコードを軽んじていると見なされても、そうした評価の意味を読み取ることもないといえる。デジタル・ネイティブの反対語に、アナログ環境で育ち、学習によって後天的にデジタル環境に合わせようとする前世代を指して、デジタル・イミグラント、すなわちデジタル移民とか、デジタル入植者などと表する言葉もある。