カツオの水揚げ減少をきっかけに、全国の自治体や研究者、漁業関係者らが2011年1月8日に設立した学会で、会長は愛媛大学の若林良和教授、事務局は高知大学国際・地域連携センターに置く。近年のカツオの不漁傾向を受けて、一本釣り漁が盛んな高知県幡多郡黒潮町が、09年10月に全国で初めて「第1回カツオフォーラム」を開催し、その折に学会創設が提案されていた。黒潮町での設立総会には、宮城県気仙沼市、静岡県焼津市、沖縄県宮古島市など、全国16の自治体と茨城大学、愛媛大学、鹿児島大学などの研究者12人が発起人として名を連ねた。黒潮町によれば、カツオの漁獲量は5年ほど前から減少し続けており、07年の2万377トンから09年は1万6646トンにまで減った。学会では身近な資源であったカツオの実態から、カツオにかかわる漁労、加工や文化などの現状、有効な利用方法の可能性など、継続した調査研究を行っていく。学会設立に合わせて開催された「黒潮一番地 カツオ・シンポジウム」では、カツオ漁船に乗り組む一本釣りの漁師も登壇し、長期不漁の現状や、水産行政への注文などを訴えた。学会は11年10月、鹿児島県枕崎市でフォーラムを開催する予定。