雪崩のうち、地面の古い積雪層を残して、表面の新しい雪だけが滑り落ちる現象。新雪雪崩ともいう。雪崩は、滑り面の違いによって、全層雪崩と表層雪崩に大別される。全層雪崩は積雪層全体が崩れ落ちる大規模な雪崩で、気温が上がった春先や雨が降った後などに発生し、固くて重い雪が流れるように崩れ落ちる。それに対して、表層雪崩は固まった古い雪の層の上に、新雪が短時間で大量に積もったときに起こりやすく、1~2月の厳寒期に多く発生する。巨大な雪煙をあげながら、時速100~200キロメートルという新幹線並みのスピードで長距離を滑り落ちる。コンクリートの構造物を壊すほどの破壊力があり、被害が広範囲に及ぶこともある。大雪の後には昼夜を問わずに起こるため、予測は困難。雪崩による死者の9割が表層雪崩によるものだといわれている。