津波による災害が起こるおそれがある場合に気象庁が発令する予報。地震発生から約3分を目標に、対象となる津波予報区に第1報の大津波警報(津波高3メートル以上)、津波警報(同1メートル~3メートル)、津波注意報(同20センチ~1メートル)を発表し、予想津波高、到達予想時刻などの情報を追加する。気象庁は、東日本大震災で津波の規模を過小評価して避難の遅れを招いた、との批判を受けたことから、この教訓を反映させた新しい津波警報の運用を、2013年3月7日正午に開始した。新警報は、マグニチュード8(M8)を超える巨大地震では、精度の高い地震規模の把握に15分ほどかかるため、第1報で具体的な予想を出さず、大津波警報では「巨大」、津波警報では「高い」と表現、非常事態であることを伝えて避難を促し、規模が把握できた段階で数値予想に切り替える形とした。また、予想津波高は、従来の8段階から1メートル、3メートル、5メートル、10メートル、10メートル超の5段階に簡素化された。発表値も、たとえば7メートルの津波が予想される場合は10メートルというように、各段階の最大値で発表される。さらに、実際に観測した津波高は、必ずしも第1波が最大波ではないことから、一定の高さを超えるまでは「観測中」と発表する場合もあるとした。