デンマーク領グリーンランド北部にある同島最大級の氷河のひとつ。2010年8月5日、この氷河からアメリカ、ニューヨークのマンハッタン島4つ分に相当する巨大な氷塊が分離したことを、アメリカのデラウェア大学研究チームが翌6日に発表した。同チームによれば、氷塊の大きさは面積260平方km、高さ最大200mで、保有する水の量はアメリカ全国民が120日間使用する水道水の量に相当するという。ペテアマン氷河は北極点の南方約1000kmに位置し、海上に押し出された棚氷は全長70kmにも及んでいたが、今回の崩落でその4分の1を一度に失ったことになる。この規模の崩落は1962年以来で、観測史上最大級だという。氷塊は海上を漂流しており、このまま南下すればグリーンランドとカナダの間にあるネアズ海峡をふさぐ可能性もあるという。小さく分裂することも考えられるが、いずれにせよその後もさらに漂流を続け、2年以内には大西洋に到達する見込み。同氷河では、00~01年に86平方km、08年にも29平方kmの氷塊が失われており、地球温暖化の進行が懸念されている。