大気中の微小粒子状物質PM2.5について、健康の保護や生活環境の保全のうえで維持されることが望ましいとされる基準値。2009年9月、環境省が環境基本法に基づき、行政上の政策目標として定めた。具体的には、1年の平均濃度が1立方メートルあたり15マイクログラム(1マイクログラムは100万分の1グラム)以下、かつ1日の平均濃度が35マイクログラム以下。この値は、呼吸器疾患、循環器疾患、および肺がんに関する国内外の疫学知見をもとに、環境省の専門委員会が算出した。13年2月には、健康への注意喚起に向けた暫定値も提示され、1日の平均濃度が基準値の2倍にあたる、1立方メートルあたり70マイクログラムを超えた場合、不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らすよう、行動目安が設定された。13年現在、PM2.5の常時監視は全国500カ所以上で行われているが、早朝の濃度が1立方メートルあたり毎時85マイクログラムを上回った場合に、1日の平均値が暫定値を超えるものと判断し、各自治体がホームページなどで住民に注意をうながす。環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」(http://soramame.taiki.go.jp/)でも速報値が公表されている。