福井県立恐竜博物館が2007~08年に同県勝山市の白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層で発掘した20個の恐竜化石に付けられた学名。「日本産の福井巨人」の意で、同博物館の東洋一特別館長と柴田正輝研究員による論文が、中国の地質学専門誌「地質学報(英語版)」電子版に2010年6月7日付で公開され、学名が確定した。尾椎の特徴などが、首と尾の長い大型草食恐竜「ティタノサウルス形類(竜脚類)」のボレアロサウルスに類似することから、その一種と見て調査を続けてきたが、歯が細長く非対称で、頬側に弱い溝があり、舌側にへこみがないことや、前脚上腕骨が細長いこと、坐骨の先端がやや広がっていることなど、これまでにない特徴を示したため、新種と判定した。竜脚類には、ディプロドクス科のように全長20~40mになるものもあるが、フクイティタンは約10mほどと推定。国内で発掘された恐竜に学名が付くのはこれが4例目で、うち3例が勝山市の同じ地層から発見されている。また、兵庫県丹波市でも同じ竜脚類と見られる「丹波竜」が見つかっているが、現時点で学名は付いていない。同博物館では、7月9日から始まる開館10周年記念特別展「アジア恐竜時代の幕開け」(~11月7日)で、化石の一部を展示する。