日立製作所が開発した、世界最小の粉末状チップ。従来の同社製品「ミューチップ(μ-Chip)」と同等の性能をもちながら0.05mm角まで小型化したもので、2007年2月13日、同社はその動作確認の成功を報じた。「ミューチップ」とは、0.4mm角ながら38桁以上の数値に相当する128bitの容量をもつROM(読み出し専用メモリー)として機能する、超小型無線自動認識ICチップである。マイクロ波によって電源の供給とデータ読み取りを行い、物品の個体識別や製造履歴などの情報とその証明を行うRFID機能をもつICタグとして最小レベルにあった。アンテナを併設し、カードに埋め込んだり、シールにした形で出荷され、05年に開催された「愛・地球博」の入場チケットに採用されて名を広めた。偽造が不可能に近い最高水準の微細技術であるため、今回のような性能向上に伴い、紙幣の偽造防止に結実することも見込まれる。また、経済産業省の研究委託事業により、書き込み機能をはじめ基本性能を向上させた「μ-Chip Hibiki」も開発されている。