Hondaが開発した人間型ロボット(ヒューマノイドロボット)で、Advanced Step in Innovative Mobilityを名前の由来とする。同社が1980年代から独自に開発をはじめた二足歩行システムi-WALKによって、体の勢いを利用しながら巧みに重心を移動させ、ヒトと同様の、足を交互に地面から離すスムーズな歩行を実現した。同時に上半身や手指の動きもコントロールできるため、本格的なヒューマノイドロボットの先駆けとして知られている。それまでも、一部の研究機関や大学の研究室などが二足歩行ロボットの開発を進めていたが、フレーム構造だけのものや下半身だけのものも多く、歩き方自体もすり足に近い、ぎこちなさの残るレベルであったため、2000年の発表時には、その飛躍的な技術革新が大きく注目された。登場以来、機能の向上とともに少しずつデザインを変えていて、10年9月時点での最新型となる、いわゆるASIMO 2005は、身長130cm、重量54kg、最高歩行速度は小走りに近い時速6.0kmを達成。頭部には、周囲の状況を確認する視覚センサーをもち、胴体部には、水平を感知してバランスを保つジャイロ加速度センサーなどを備え、股やひざや足首にも段差や障害物に対応するような各種センサーを配置しており、ダンスのような難しい動作にも対応できる。指はサーボモーターとワイヤで可動し、片手で0.3kg、両手で1.0kgの保持力をもち、重さや手応えを感知する力覚センサーを備えているため、トレーの持ち運びや、相手の動きに合わせた物の受け渡しや握手にも対応できる。操作はパソコンや携帯端末で行え、大がかりなセッティングや調整を必要としないため、博物館や科学館の催しや、東京モーターショーのようなイベントにたびたび登場しており、実際に目にする機会も多い。10年10月31日はアシモの10周年記念日となり、ASIMOと一緒に撮影した写真やイラストを一般から募集して、その一つひとつを画素としながら、大きなASIMOを描き出す「10th ANNIVERSARY SPECIAL PROJECT みんなの写真でASIMOをつくろう」という企画も進行している。