老化の原因となる活性酸素の発生を抑制したり、加齢による免疫細胞の暴走を食い止めたりする働きがある、サーチュインという酵素を活性化させる遺伝子。老化を遅らせて、寿命を延ばすとされることから、「長寿遺伝子」ともよばれる。2000年にアメリカのマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授らによって発表された。人を含む多くの生物がこの遺伝子をもっているが、普段は休眠状態にあるため、効果を得るためには長期にわたって効率よく活性化させる必要がある。その方法の一つとして、腹八分目程度のカロリー制限が注目されており、アカゲザルを用いた研究では、通常量の食事を与えたグループと、30%減らしたグループでは、後者のほうが明らかに長生きしたという結果が得られた。また、赤ワインなどに含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールという化合物にも、サーチュイン遺伝子を活性化させる働きがあると報告されている。