環境省が絶滅危惧種を示したレッドリストで2007年に「絶滅危惧II類(VU)」(絶滅の危惧が増大している種)に選定されている、ヒルムシロ科の多年草の水草のこと。学名はPotamogeton panormitanus。池沼や川、水路などに生え、全体が水中に沈んでいる沈水植物。緑色の葉は線状で細く、先端はとがり、5~7ミリほどの小さくて黄色い花が、水面上で上下2段に分かれて咲く。アマモ科のイトモに似ていて、葉の付け根にある、托葉という部分の縁が合わさって筒のようになるため、ツツイトモと呼ばれる。北海道や青森、宮城、三重、徳島、福岡などで生育が確認されているが、池沼や川の改修などにより激減しており、正確な分布は不明となっている。通常、水のきれいな場所に生息するが、11年8月、東京都千代田区の皇居の二重橋堀などで大量繁殖したため、観光客から「汚い」などの苦情が寄せられ、環境省の皇居外苑管理事務所が刈り取りを余儀なくされた。絶滅危惧種であること、水質浄化の力をもつことから、根は残して茎の刈り込みが行われた。大量繁殖の理由はわかっていない。