太陽系からてんびん座の方向へ、20.5光年離れたところに位置する地球型の系外惑星(太陽系外の惑星)。南米のチリにあるヨーロッパ南天天文台の研究チームが2007年4月に発見したもので、恒星「グリーゼ581」を母星として13日周期で公転する、ハビタブル・ゾーンにある惑星の一つと考えられている。ハビタブル・ゾーン(生命存在可能領域)とは、生命の存在に不可欠な水が、惑星の表面に液体の状態にある領域のことをいう。水分があっても液体であるためには、太陽と地球のように、公転の軌道と恒星の間隔が程よい距離に保たれなくてはならない。恒星のグリーゼ581は、太陽の直径の約3分の1ほど、表面温度も3500℃の赤色矮星と見られ、惑星グリーゼ581cの半径は地球の約1.5倍、質量は約5倍程度で、表面温度が0~40℃と推定されることからハビタブル・ゾーンの可能性が高い。1995年以来、これまで系外惑星は220以上が発見されているが、ハビタブル・ゾーンと見られる惑星の発見は、グリーゼ581cが初めてである。しかし地球との距離が20.5光年(約194兆km 1光年=約9兆4800億km)もあることから、人間が到達することは現在の技術は不可能と見られる。