単にクロームOSとも略称される。インターネットの検索エンジン最大手であるアメリカのグーグルが開発し、パソコンメーカーに無償提供される新しい基本ソフト(OS)。2009年7月7日、グーグルはパソコン用のOS開発プロジェクトを発表し、10年の後半に発売されるネットブックと呼ばれる低価格のミニノートパソコンに搭載される見通しとなっている。基本ソフトとはオペレーティング・システム(OS)とも言い、コンピューターの操作環境を提供する基本のソフトウエアである。OSはコンピューター本体とさまざまな仕事を行うアプリケーションソフトとをつなぐ役割を果たしており、プラットフォームと呼ばれたりする。グーグルは既にオープンソースであるリナックスのカーネル(OSの最も中心的な部分)を基に開発したアンドロイドをモバイルフォン(携帯電話)用のOSとして無償提供しており、次にネットブック用として、起動後数秒でインターネットに接続が可能な、軽量・高速性を特徴とするクロームOSを投入したわけである。これまでパソコンのOSは、マイクロソフト社のウィンドウズシリーズがほぼ90%弱の独占状態を占めてきた。パソコンの本体価格にウィンドウズOSが占める割合は約5%とされる。無償提供されるOSのが登場によって、ネットブックの価格をさらに引き下げる効果もあり、09年10月に発売を予定しているウインドウズ7(セブン)の販売に影響を与えることは避けられないと見られている。