糞便臭を不快でない匂いに変える、特殊な消臭加工を施した繊維。繊維メーカーのシキボウ株式会社(本社・大阪府大阪市)と、香料メーカーの山本香料株式会社(本社・大阪府大阪市)が共同開発し、2011年8月に発表した。従来のようにデオドラント剤で匂いを消すのではなく、臭気成分を組み替えて別の匂いに変えてしまうのが特徴。香水をブレンドする際、何十種類もの香料に少量の悪臭成分を混ぜると、よい香りが一層引き立つようになる、という手法を利用したもので、あらかじめ悪臭成分を除いた香料を調合し、マイクロカプセルに詰めて繊維表面に付着させてある。繊維を着用するとカプセルが壊れて香料が染み出し、そこへ糞便臭が加わることで、本来は不快な匂いが清涼感ある匂いに変わるという。完成した香料は糞便臭がつきやすい繊維製品への応用が期待されており、まずはおむつカバーなどの介護用品として商品化される。さらにペット用品、香料スプレーといった販売展開も予定している。