2010年6月中旬に地球に最接近し、7月2日ごろに近日点(軌道上で太陽に最も近づく位置)を通過する非周期彗星。オーストラリアの天文学者ロバート・マックノートが09年9月に発見し、その名が冠せられたが、マックノートはこれまでに数十個の彗星を発見しており、この彗星には「C/2009 R1」の識別記号が付けられている。07年1月に観測されて話題になったマックノート彗星は「C/2006 P1」という別物。今回のマックノート彗星「C/2009 R1」は、10年6月中旬時点で当初の予想を上回る4等級の明るさに増光し、日本でも各地で観測された。さらに6月末から7月初めには、肉眼でも見える2等級近くまで明るくなる可能性があるが、現れるのは日の入り直後の北西の低空で、観測には不向きな条件。近日点通過後はほぼ観測できなくなる。非周期彗星なので、再び地球に接近することはない。