東京電力が運営する原子力発電所の1つ。福島県双葉郡大熊町の1号機から4号機までの4基と、双葉町の5号機と6号機の2基、計6基の発電機で構成され、関東地方の電力の生産と供給を担っている。略して福島第一原発と呼ばれる。1号機は東京電力初の発電機で、1971年に営業運転を開始した。原子力発電は、原子炉で燃料の二酸化ウランを核分裂させ、その熱で水蒸気を発生させ、この蒸気を利用して発電機で電気を起こすという仕組み。原子力発電の原子炉の種類は、普通の水を利用する軽水炉が主流で、沸騰水型軽水炉(BWR ; Boiling Water Reactor)と加圧水型軽水炉(PWR ; Pressurized Water Reactor)に分類される。福島第一原発の場合は、原子炉で直接、水蒸気を発生させる沸騰水型軽水炉を採用している。もう一方の加圧水型軽水炉は、原子炉で高温の熱水を作り、蒸気発生器に熱水を送ることで蒸気を発生させるというもの。東京電力が運営する原発は、福島第一原発以外では、福島県双葉郡楢葉町と富岡町にまたがる福島第二原子力発電所と、新潟県柏崎市と刈羽郡刈羽村にまたがる柏崎刈羽原子力発電所があり、その他、現在建設が進められている青森県下北郡東通村の東通原子力発電所がある。福島第一、第二原発を合わせて日本の原子力発電の電気量の約20%を占めているといわれている。