2000年にマダガスカルで発見されたコビトキツネザル科ネズミキツネザル属に含まれる霊長類の一種。体長約9センチ、平均体重はわずか31グラムで、世界最小の霊長類といわれる。学名はMicrocebus berthae。体毛は赤茶色で、目と耳が大きく、尾が長いのが特徴。マダガスカル島の西海岸にあるキランディ・ミタ国立公園の乾燥した森に生息する。くわしい生態はよくわかっていないが、他のネズミキツネザルと同様に樹上で生活し、夜に昆虫や果実などのえさを求める夜行性だと考えられる。国際環境保護団体のコンサベーション・インターナショナル(CI)などは、約10年前から取りまとめている「世界で最も絶滅の危機に直面している霊長類25種」(primates in peril-the world’s 25 most endangered primates)の最新版を、12年10月にインドのハイデラバードで開催された生物多様性条約第11回締約国会議(COP11)で発表。その中にマダムベルテネズミキツネザルが新たに加えられた。マダガスカルでは同種を含む6種がリストに挙がっている。