馬インフルエンザウイルスによる感染症で、せき、鼻水、発熱などを伴う急性呼吸器疾患。ウイルスにはウマ1型(H7N7)とウマ2型(H3N8)の二つがあり、感染の広がりが速く空気感染するが、馬以外には感染しない。家畜伝染病予防法で届出伝染病に指定されている。日本では1971年暮れの大流行で、翌年2月まで約2カ月にわたって関東の中央競馬が開催中止に追い込まれた例がある。以降、ワクチンの開発と接種の徹底により、国内で馬インフルエンザの発生は見られなかったが、2007年8月、36年ぶりに流行。これに伴い、8月18、19日に開催予定だった中央競馬(札幌、新潟、小倉競馬場)のレースが中止となり、前年同期で見ると約447億円の売り上げが消えた。また、大井競馬(東京)など、各地の地方競馬も開催中止に追い込まれるなど、被害は全国に広がった。