神道で、ご神体を本殿から仮殿に遷(うつ)す儀式で、神社の社殿建て替えなどで行われる「造営遷宮」に伴うもの。「縁結びの神」として知られる島根県出雲市大社町の出雲大社で、8年の歳月と総工費約80億円をかけて行われる「平成の大遷宮」の幕開けを飾り、2008年4月20日夜、およそ60年ぶりに「仮殿遷座祭」が行われた。約5000人の参列者が見守る中、蝋燭(ろうそく)の明かりに照らされた神職ら約150人の行列により、祭神大国主命(おおくにぬしのみこと)のご神体を乗せた神輿が、厳かに仮殿へと遷された。国宝の本殿は、延享元(1744)年の造営で、文化6(1809)年、明治14(1881)年、昭和28(1953)年に次ぎ、4度の修造となる。2013年5月に本殿などの修造が終わると、ご神体を本殿に還(かえ)す「本殿遷座祭」が行われ、その後3年間かけてその他の社殿を改修し、「平成の大遷宮」は完了する。なお、参詣者はふだん本殿内部には一切立ち入れないが、08年4月から8月にかけて、4回の期間に分けて特別拝観ができる。