イスラエル最高の文学賞。同国で2年に1度開かれている「エルサレム国際ブックフェア」の実行委員会によって、「社会における個人の自由」をテーマに執筆する作家に贈られる。選考委員は同国が首都と定めているエルサレムの市長によって任命される。1963年に創設され、これまでにイギリスの哲学者バートランド・ラッセルや、フランスの思想家シモーヌ・ド・ボーボワール、チェコの作家ミラン・クンデラなどが受賞した。2009年2月15日、作家の村上春樹が第24回エルサレム賞を受賞。エルサレムで開かれた授賞式に出席した。記念講演で、村上は、イスラエルのパレスチナに対する軍事力行使を支持する印象を与えかねないことから、授賞式への出席を迷ったが、出席して、見て、話すことを選んだ、と述べたうえで、戦争や、戦争を生むシステムを「壁」に、それによって押しつぶされる人間を「卵」にたとえ、「私は常に卵の側に立つ」と語った。01年にはアメリカの批評家スーザン・ソンタグが、03年にはアメリカの劇作家アーサー・ミラーが、同賞を受賞した際にイスラエルのパレスチナ政策を批判するスピーチを行っている。