京都市東山区にある天台宗の古刹青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)が所蔵する国宝の仏画。2009年9月18日~12月20日に行われる御開帳に先駆けて、同年5月14日、最新鋭のデジタル技術を駆使して復元された複製が報道陣に公開された。正式名称は「絹本着色 青不動明王二童子像(けんぽんちゃくしょく あおふどうみょうおうにどうじぞう)」。11世紀の作とされ、高野山明王院の「赤不動」(重要文化財)、大津市三井寺の「黄不動」(重要文化財)と並び、「日本三不動画」と称される。縦約2m、幅約1.5mで、中央の岩に燃え盛る紅蓮の炎を背にして青色で描かれた不動明王がゆったりと鎮座し、これを左右から見上げる形で矜迦羅(こんがら)、制叱迦(せいたか)の二童子を配しており、10世紀後半に活躍した絵仏師飛鳥寺玄朝(あすかでらげんちょう)の様式を伝えると言われる。同院創建以来の秘仏で、これまで1970年の大阪万国博覧会、86年の奈良国立博物館、97年の上野の森美術館~奈良県立美術館(巡回)の3度しか公開されておらず、同院での御開帳はこれが初めて。デジタル複製は、公開終了後本堂に安置される。