サントリーホールディングス(株)植物科学研究所(大阪府)が、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所(農研機構。茨城県つくば市)やフロリジン社(オーストラリア)との共同研究により世界で初めて開発に成功したと2009年9月14日に発表した、青みを帯びたキクの花。キクには青色色素「デルフィニジン」をつくるために必要な酵素の遺伝子がないため、赤や黄などの花色はあるが、紫や青といった青系の色はない。そこで、サントリーホールディングスと農研機構は04年にキクの遺伝子組み換え方法の開発などの共同研究を開始。キキョウ科の青い花カンパニュラの青色を作る酵素の遺伝子を用いて、キクに含まれる赤色色素の約75%を青色色素とし、紫色の、青みがかったキクを咲かせることに成功した。また、フロリジン社は1994年から青いキクの開発に取り組み、ピンク色のキクにパンジーの青色遺伝子を導入することで、青みがかったキクの開発に成功した。サントリーホールディングスはこれまでにも青いカーネーションやバラの開発に成功している。