小説「カラマーゾフの兄弟」の略称で、ウェブ上などで広がっている愛称。「カラマーゾフの兄弟」は19世紀、ロシア帝政末期の作家、ドストエフスキー(1821~81年)が著した、世界文学の最高峰ともされる作品で、日本を含む世界中の文学に影響を与えた名作。難解な大長編のため、読破することが難しいともいわれていた。光文社が2006年9月に刊行を始めた新訳の文庫本が、かつて読もうとして挫折した団塊の世代だけでなく、従来、古典文学を苦手としていた若い世代にも受け入れられ、全5巻の累計が55万部を超える異例の売れ行きとなっている。新訳を手がけたのは東京外国語大学学長の亀山郁夫。08年にはコミック版がコンビニエンスストアに並び、テレビのバラエティー番組でもあらすじ解説が取り上げられるなど、「カラ兄」ブームは新たな広がりを見せている。