長野、新潟の県境にまたがる、関田(せきだ)山脈の稜線に沿った全長約80kmのトレッキングルート。標高1000m前後の高所を歩き通せる自然歩道では、国内屈指の長さをもつ。起点は長野県にある標高1382mの斑尾山薬師岳(まだらおさんやくしだけ)山頂。そこより北東に向かって毛無山や鍋倉山を経由し、関田峠など16の峠を越え、新潟県にある標高1088mの天水山(あまみずやま)へ至る。大部分はブナ林に覆われた里山で、途中には北信五岳を望む大明神岳、湿生植物が自生する沼の原湿原、ギフチョウとヒメギフチョウが混生する黒岩山、モリアオガエルの生息地である「幻の池」などもある。NPO法人信越トレイルクラブを中心としたボランティアが、2003年より整備を始め、05年に斑尾山~牧峠の約50kmが開通。08年9月13日に牧峠~天水山の約30kmを加えて全線が開通した。豪雪地帯のため適期は5月~11月中旬。全行程踏破には5~6日が必要。ルート上に山小屋や野営場はないので、そのつど、地元の宿泊施設や最寄り駅からアプローチする。