主に寺社から寄託された仏教美術の名品など、国宝17点、重要文化財198点を含む5000点の文化財を擁する公立博物館。1961年3月20日開業。大津市の琵琶湖湖上に浮かぶ城の形をした地上5階、地下1階建ての建物で、当初は水族館機能を併せ持った博物館だったが、その後、人気を集めた淡水水族館が琵琶湖博物館へ移るなどしたため、年間来館者がピーク時約28万人から2万人ほどに減少。冷暖房設備やエレベーターなどの設備拡充の予算もつかないまま老朽化が進み、2007年12月県議会で、08年3月31日をもって休館の方針が打ち出された。改修や移転新築が県の財政難から困難であるというのが理由だが、社寺など県文化財保護連盟や、全国組織の美術史学会などから存続の訴えが広がっている。存続運動盛り上がりの理由の一つとして、同様のことが他の博物館に波及する恐れがあることが挙げられる。開館から40年以上たつ博物館はどこも建て替えが必要になっており、そのための予算を自治体がどう捻出するかの問題が生じ、多くの公立美術館・博物館が休館・閉館の危機に面している。また、リニューアル予定のないままの休館は廃館に近く、結果、滋賀県の重要なコレクションが散逸する恐れもある。文化財保護のあり方を根本から考えさせる事態となっている。