明治元(1868)年の「神仏分離令」によって神道と仏教が引き離される以前の、「神仏習合」の精神風土を取り戻そうと、2008年3月に設立された「神仏霊場会」に参加した近畿2府4県の著名社寺150に、伊勢神宮(三重県)を加えた151の霊場を結ぶ新しい巡礼ルート。伊勢神宮を出発して、高野山金剛峯寺(和歌山県)、東大寺(奈良県)、住吉大社(大阪府)、円教寺(兵庫県)、清水寺(京都府)などを経て、比叡山延暦寺(滋賀県)が終点となる。巡拝の始まる08年9月8日には、三重県伊勢市の皇學館大学記念講堂で「発足奉告祭」が挙行され、霊場会会長の東大寺森本公誠長老が発会の趣旨を告げる表白(ひょうびゃく)を読み上げると、各社寺の神職と僧侶約220人が、それぞれ祝詞(のりと)や経を唱えるなど、神仏習合形式で式典は進められた。式の後は全員で参道を歩き、伊勢神宮内宮に参拝。天台座主など仏教界のトップが、そろって公式に同神宮を参拝するのは初めてという。